患者さまからのお便りをご紹介します
当院の前身である吉田レディースクリニックの頃から患者さまにお寄せいただいた、貴重な治療体験談です。これから治療を考えている方、また現在がんばって治療されている皆さまにとって、きっと励みになると思います。
二度の子宮筋腫手術を乗り越えて、6年間の通院を経て妊娠・出産…
仙台ARTクリニック 吉田先生、スタッフ皆々様、
このたびは、新病院 開院 おめでとうございます。
昨年8月、体外受精にて妊娠し、現在8か月となりました。少し早い産前休に入りましたので、約6年にわたる治療を振り返り、吉田先生をはじめスタッフの皆様へ改めて感謝の気持ちと、今、一生懸命治療に取り組んでいらっしゃる方々へ、私の体験をお伝えしたいと思います。
私は、33歳で結婚しましたが、その1年前に子宮筋腫の手術をしました。将来は結婚し、子どもを持ちたい気持ちがあったので、筋腫核のみ摘出し、子宮は温存しました。結婚後、1年すぎても妊娠せず、近医を受診し、当時の吉田レディースクリニックを紹介されました。35歳になる少し前のことです。
諸検査を受け、人工授精を数回行いました。が、妊娠には至らず、体外受精へ進みました。この時はまさか、自分が体外受精を受けるとは思ってもいなかったし、でも体外受精をすれば妊娠できる、と大きな期待を抱きました。
1回目は新鮮胚を戻しましたが、結果はマイナスでした。とてもショックでした。
2回目以降は、凍結胚を戻しましたが、4回目までマイナスでした。この時、凍結していた受精卵がなくなってしまったこと、また、子宮筋腫が新たにでき、大きくなっていることから、ひとまず、筋腫の手術を受けることにしました。この時36歳でした。
手術は経過良好で、採卵もし、少し間をあけ、5回目の体外受精に臨みました。37歳の頃です。5回目もマイナス。これは相当こたえました。午前中に結果をきき、午後に仕事に行ったのですが、涙が止まりません。
なんで、自分は妊娠できないんだ
今まで望んだことは、頑張ってある程度は叶えることができたのに、どうして妊娠できないんだ
周りの人は、どんどんどんどん妊娠して、子どもを産んでいるのに….
と、この時は、本当に荒れました。
それを支えてくれたのは夫です。いつも話をきいてくれ、受けとめてくれ、一緒に泣いたり、笑ったりしてくれました。
6回目の体外受精の結果は、プラスでしたが、その2週間後くらいに流産。先生からは「妊娠できたんだから、前向きに頑張りましょう。」と言われましたが、やはり直後はなかなか、立ち直れませんでした。
7回目に取り組むとき、治療に関しては先生方が一生懸命してくださっている、私は体づくりに励もう、と決めました。
夫と毎日1時間ウォーキング、あーでもない、こーでもない、とたくさんお話をしながら楽しく歩きました。
次に、保温。ふくらはぎがひんやりと冷たいので、常にレッグウォーマーを着用しました。
そして、足つぼマッサージ。もともとマッサージが好きなので、夫にやってもらったり、ぐりぐりとむくみをとりました。
当日、ホッカイロを何個も持っていき、とにかく温めました。夫はセコンドのようにせっせとマッサージしたり、カイロをあてたりしてくれました。
何の根拠もないのですが7回目は、今回は妊娠できる!!という思いがありました。
判定日、吉田先生より「ご懐妊です。」と言われましたが、実感がわかず、夫にはメールで短い文章で知らせました。夫は出張中でしたが、涙目で仕事をしたそうです。
その2日後、私の実家で妊娠の報告をしました。
私の両親、夫、私の4人で泣きました。
その後、切迫で入退院し、仕事もほぼ病休でした。帝王切開で女の子を無事出産。産声をきき、「女の子ですよ!」と言われ、初めて安心しました。38歳の時です。
とにかく、子どもがほしい。1人でもいいから、子どもがほしい。
男の子でも女の子でもどちらでもいい。という思いで、治療に取り組んできました。
育児は想像以上に大変で、夫や実家の協力を得ながら、仕事も再開しました。上の子が1歳を過ぎた頃より、2人目のことを考えはじめました。
40歳の時、8回目の体外受精に臨みました。今までの経験から、期待はしていませんでしたが、吉田先生からまさかの「ご懐妊です。」との言葉。全身の力が抜けるような、へなへなと崩れるような感じでした。
出産は他の医療機関ですることだったので、最後の吉田レディースクリニック受診の日、土曜日で午後からマザーリーフセミナーがある日でした。約6年間通院し、幸いにも1人出産し、2人目も妊娠できました。本当にいろいろなことがあったと、涙がとまりませんでした。マザーリーフクラスを受講するカップルを見ながら、これまでのことを思い出しました。
頑張って通院してよかった。
吉田先生、スタッフの皆様を信じ、このような結果を迎えることができ、心より感謝申し上げます。治療を振り返ると、夫の存在は欠かせませんでした。夫もよく頑張ったと思います。基本的なことですが、自分の体づくりもとても大切だと改めて思いました。
現在、私は大事をとって管理入院中です。出産まで続きますが、この貴重な時間を大切に過ごしたいと思います。
吉田先生、スタッフの皆々様、本当にありがとうございました。現在、一生懸命治療に取り組んでいられる皆様にも、素晴らしい結果が訪れますように。
末筆ですが、貴院のますますのご発展をお祈り申し上げます。