PRP (多血小板血漿)を用いた不妊治療

PRP (Platelet Rich Plasma :多血小板血漿)を用いた不妊治療

当院はPRPを子宮内膜に注入する治療において、厚生労働省の認可を受けました。
2022年2月には、卵巣に注入する治療においても認可を受けました。

  • PRPを用いた不妊治療は、「再生医療の安全性の確保等に関する法律」に基づき、厚生労働省の認可が必要な「再生医療」であり、実施可能な施設は限られております。

PRPを用いた治療は、患者様自身の血液から抽出した高濃度の血小板を注入する方法です。
血小板は、細胞の成長を促す物質や免疫に関わる物質を含むため、不妊治療においてPRPを子宮内に注入することで、子宮内膜が厚くなり受精卵が着床しやすくなる可能性が高くなると考えられています。また、卵巣内に注入することで、卵巣予備機能の改善効果が期待でき、採卵数の増加や 良質な卵子が採取できる可能性が高まります。
PRPは患者様自身の血液から抽出するため、アレルギー反応等の副作用が起こる可能性が低いと考えられています。

リスクおよび副作用
PRP療法は、患者さん自身の血液を使うため、副作用が起こる可能性が低く負担が少ないと考えられており、これまでの国内外で具体的な有害事象は報告されていません。しかし、採血の際の痛み、PRP注入による感染(PRPの調製中に感染の原因となる物質が混入する可能性)、や痛み(子宮内への注入にチューブを使用したり、卵巣への注入に採卵針を用いるため)が起こる可能性が考えられます。
  • PRP調整に用いる採血管は、医療機器として認証されております。

子宮内注入

対象となる方(子宮内への注入)

  • 子宮内膜がなかなか厚くならない方
  • 受精卵を複数回移植しても着床しない方

<除外基準>

血小板数が150,000/㎣以下、血小板機能異常症、非ステロイド性消炎鎖痛薬や抗凝固薬で治療中の方、悪性腫瘍またはその可能性にて治療中の方

  • 他の医療機関に通院中で当院にてPRPのみご希望の方は、
    主治医にご相談の上、紹介状をご持参下さい。

治療の流れ(子宮内への注入)

一周期で2回(月経周期10日目前後と12日目前後)PRPの注入を行います。

患者様から20mlの血液を採取後、遠心分離機でPRPを調整し、子宮内に注入します。
(所要時間:約1時間)

  • 調整したPRPが注入に適さない状態と判断された場合は、投与の中止や再度血液を採取させていただく場合があります。

凍結受精卵移植の場合、その後の月経周期14日目頃の子宮内膜厚の測定や胚移植のスケジュールに関しましては、通常の胚移植と同様です。

費用(子宮内への注入)

この治療を受ける場合、保険適応外のため自費診療となり、1回目165,000円(税込み)、2回目55,000円(税込み)となります。

  • 他院にて不妊治療中の方は費用が異なります。(通院先の紹介状が必要になります)

卵巣内注入

対象となる方(卵巣への注入)

  • 卵巣機能低下および卵巣機能不全の方

<除外基準>

血小板数が150,000/mm3以下、血小板機能異常症、非ステロイド性消炎鎮痛薬や抗凝固薬で治療中の方、悪性腫瘍またはその可能性にて治療中の方

  • 卵巣へのPRP治療は、当院で不妊治療を受ける方のみとさせていただいております。

治療の流れ(卵巣への注入)

月経終了から月経周期10日目の間に、片側もしくは左右の卵巣内にPRPの注入を行います。

患者様から20mlの血液を採取後、遠心分離機でPRPを調整し、卵巣内に注入します。
(所要時間:約1時間)

  • 調整したPRPが注入に適さない状態と判断された場合は、投与の中止や再度血液を採取させていただく場合があります。

費用(卵巣への注入)

この治療を受ける場合、保険適応外のため自費診療となり、1回目は片方で220,000円(税込み)、左右で330,000円(税込み)となります。2回目を行う場合は、左右で660,000円(税込み)となります。

PRP治療にご興味がある方は、お問い合わせください。