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遺伝子と染色体と…


こんにちは。医療技術部です。暑いですね。私は暑さにめっぽう弱いですが、
もう一つ、暑さに弱いと言えば…




精子ですね。
当院に通院中の旦那様方、不安に思う節があるならば、
過去に岸田♂の書いたブログを参考にして、下半身の熱をうまく逃がしてください。

精子力を改善しよう

岸田♂が触れていたNスぺ(NHK)の記事があったのでリンク貼っておきます。

ニッポン精子力クライシス

↓先月に遡りますが、最後の最後に遺伝子と染色体は違うと書きました。↓

染色体ってなんだ?②


遺伝子とは何か?遺伝との違いは何か?
というところをお伝えできればと思っています。
今回も少しややこしいので
「ヒトの作り方」=染色体
「ヒトの作り方」の中身=ヒトの設計図として説明します。

とりあえずQ&A
Q.遺伝って何?

先祖から情報を受け継ぐこと、また子孫に情報を受け継がせること。


Q.遺伝子って何?

受け継がれる情報。



いつものごとく唐突です。
両親から受け継ぐことが遺伝と前回書きました。
この遺伝するものの正体は情報です。

伝言ゲームを例にとってみます。
“リンゴ”をかいた紙を次の人に渡していくゲームとします。
ゲームとして最後の順番の人は紙に書いてあるものを答えます。

“リンゴ”と答えるでしょう。

紙も、もちろんたくさんの人にわたりますが、
大事なことは紙に書いてある情報“リンゴ”です。

遺伝も一緒です。
リンゴが書いてある「ヒトの作り方」(染色体)
リンゴがヒトの設計図を表し、この伝言ゲームが遺伝です。
遺伝子受け継がれる情報ヒトの設計図ですので、
遺伝子染色体です。
染色体は遺伝はしますが、遺伝子ではありません。



今度はヒトの遺伝子と遺伝や個性について具体的にみてみます。
(これはフィクションです。実在の人物との関連はありません。)
Kさんの筋肉の設計図は、無酸素運動推奨と書いてあります。



Yさんの筋肉の設計図は、有酸素運動推奨と書いてあります。



筋肉の遺伝子に、違う情報が書かれています。
これがヒトの個性です。
潜在的にKさんは短距離走(無酸素運動)が得意な個性を持ったヒトで
Yさんは長距離走(有酸素運動)が得意な個性を持ったヒトと考えられます。
設計図はヒトそれぞれで個性が表現されます。

次にYさんの家系図を見てみます。
Y母とY息子が長距離走を得意としていました。
このように、筋肉の設計図つまり遺伝子が代々遺伝している様子を表しています。

もうおなかいっぱいって方は、ここからは読まなくても大丈夫です。






せっかくなので、遺伝子や染色体に付随してよく聞く単語の意味をお伝えしようかなと思います。
DNAゲノムってやつ。

広義としてDNA=ゲノム=遺伝子でいいかと思いますが…
専門家に上記を伝えたらNoooooooooo!!!Crazy!!!!!!等と発狂するかもしれません。
ちょっとした違いを説明します。

Q. DNAってなに?
A. 遺伝子(やゲノム)を作っている物質です。
例えるなら「ヒトの作り方」の本に使われている紙です。

Q. ゲノムってなに?
A. 遺伝情報の全てです。

実は、「ヒトの作り方」の中には、不要な部分が沢山あります。
必要部分のみ取り出すと情報として意味をもち設計図になります。
意味不明の文字列から必要な文字だけ抜き取る謎解きみたいな感じです。

↓古典的な謎解き(どこからどう見てもタヌキ)
“た”が不要な部分、その他が必要な部分です。
※gif作ってみましたが秒数の関係上歯切れの悪いものができてしまいました…
なんとか読み取ってください(by編集)

「ヒトの作り方」は“た”入りで文章化されているので、いちいち“た”を抜く作業をしています。

不要な部分は無駄じゃないのか?そんな声が聞こえてきます。
“設計図を作り出す”というひと手間を加えることで、生物は多様に進化してきました。
生物を構成するには、不要な部分も必要なのです。…禅問答?

まとめますと、紙(DNA)に“た”入り暗号(ゲノム)が記載されていて、
暗号をまとめたものが「ヒトの作り方」という本(染色体)となっています。
暗号を解読すると設計図(遺伝子)が見えるようになるということです。

日本語にすると全て“染色体の中身”という説明になってしまうので、DNA=ゲノム=遺伝子と理解されています。
日本語って難しいですね。

ここらへんで、今月は終わりです。また次回。