先日、福島で行われた、第55回東北生殖医学会総会・学術講演会に
参加してきました。
当院からは2名の培養士が発表しました。
福島県には訪れたことがありますが、福島市で降りるのは初めてでした。
学会が行われたコラッセふくしまでは、最上階に展望台があり、
山々を眺めながら美味しいランチを頂きました。新幹線ですぐ着く距離なので、
気軽に観光できそうだなと感じました。
発表内容は新しい精子調整用のメディウムと、
現在使用しているメディウムとの比較検討についてでした。
メディウムは様々なメーカーによって開発されていて、それぞれ特徴があります。
今回新しく使用し始めたものはPhがアルカリ性で、
体内での受精時の環境を再現することを目的に作られたそうです。
今回の検討ではどちらとも同じくらい、運動精子を集めることが出来ました。
メディウムの種類によって、運動精子の回収率や、
受精した後の卵の成長が変わることがあるとのことですので、
より良いものを使いたいと考えています。
もう一つの発表は、受精卵の第一卵割についいてでした。
受精卵が一つの細胞(1cell)から、二つの細胞(2cell)に分かれることを
第一卵割と言います。
この時、均等に分かれる場合と不均等に分かれる場合があります。
第一卵割で均等に分かれた受精卵は、
その後の発育が良好であることが分かりました。
第一卵割を見るためには、タイムラプスインキュベーターに入れる必要があります。
タイムラプスインキュベーターとは、一定時間置きに一つ一つの卵の写真を撮り、
動画の様に観察できる培養器のことです。
今後のエンブリオチェックの際に、移植胚の決定や凍結胚の決定に役立つことを
期待しています。