患者さまの声

スタッフブログ

1月6日・7日に東京で開催されたエンブリオロジスト学会に参加してきました。

1日目は培養士向けのワークショップとなっており、
全国から培養士が集まって情報交換や技術の習得に努めます。
私はTESE(精巣内精子採取手術)のワークショップに参加してきました。

TESEは精巣に切り込みを入れて精細管の一部を採取する手術です。

手術は医師が行っており
① 採取された組織を『細切』(専用のはさみで細かく切り刻む)
『鏡検』(顕微鏡で動いている精子を探す)
『凍結』(精子が見つかったら組織ごと凍結)
の3つの工程を私達培養士が担っています。

ワークショップではネズミの精巣を用いて、細切・鏡検の流れをスムーズに行う方法を実践しながら学びました。
精子の有無を迅速に判定することが手術時間の短縮になり、患者さんの負担を減らすことにつながるため、当院の方法にも組み込んでいきたいと思います。
ちなみに…
TESE手術の当日には患者さんのお名前確認に、その日TESEを担当する培養士がご挨拶に伺いますので、よろしくお願いいたします。

2日目は学術大会です。
今回は講演がメインとなっており、ヒトに関する研究だけでなく動物で研究中のテーマもあってとても勉強になりました。
今回は「患者の本音」として東尾理子さんの講演があり、取り組んでいる妊活研究会でのお話しを聞くこともできました。

私達培養士は、技術の向上はもちろんですが、患者さん個人に合った治療を一緒に考えていけるように、たくさんの声を聴いて向き合っていきたいと思います。
当院では培養中の受精卵の状態などの説明に培養士が携わっているので、分からないことや不安なことがあれば気軽にご相談ください。

今回の学会で、私はポスター形式で「胚盤胞の直径が妊娠率にどのくらい影響するのか」という発表を行ってきました。
受精卵(胚盤胞)の凍結時には4AAや4BBなどのグレードを基準としていますが、胚盤胞の大きさも一つの指標になっています。
当院での過去のデータを調べたところ、同じ良好胚盤胞であっても

直径の大きな胚盤胞の方が妊娠率が高い

ということが分かりました。

また、40歳以上ではその差が大きくなっており、グレードの良い大きな胚盤胞を凍結することが重要になります。
このポスターは当院2階に掲示されているので、よかったらご覧になってください!

培養士 杉田