テーマ: ラボより
タイムラプス培養で正しい受精判定を
こんにちは!培養士のAです。
今回は体外受精、ARTをしている方、ステップアップ予定の方に向けた内容です。
タイムラプス培養のメリットについてお話します。
すでにタイムラプスを使用している方、使用していない方にもぜひ読んでいただきたいです!
タイムラプス培養については以前も当院のブログにて解説しています。
まずはそちらをご覧ください!
今回解説する内容以外のメリットについてはこちらのブログもご覧ください。
今回お話したいのは、タイムラプスの最大のメリットは
受精のしるし(前核)を見逃さない!ということです。
受精したかどうかの確認は前核があるか、何個あるかが重要です。
前核が2個あると、正常受精の判定になります。
この前核は20時間前後で消えて、次の段階に進みます。
★前核がしっかり確認できる
★前核が消える前 のタイミングで観察しています。
しかし、まれに(当院では正常受精卵の約8%)前核が早く消える受精卵があります。
早く消えてしまうと、観察時には前核が無い状態なので
もともと無かったのか、消えてしまったのかが分かりません。
しかし!!!
タイムラプス培養をしていればわかります!
なぜなら消える前にさかのぼって写真をみることができるからです👀
さかのぼってみたときに、主に3つのパターンがあります。
- 前核が1度も出現していない➡非受精
- 前核が2個出現して消えた➡正常受精
- 前核が3個出現して消えた➡異常受精
正常受精が確認できれば、培養を継続することができます。
一方、タイムラプスを使用しない場合はさかのぼるデータがありません。
異常受精を培養継続することはリスクになるので、
前核が無い場合は、すべて非受精として培養が終了となります。
前核が2個出現して消えた、正常受精を廃棄してしまう可能性もあります。
タイムラプスを使用しない最大のリスクは、培養継続すべき受精卵を廃棄してしまう可能性がある、ということです。
その他タイムラプスのメリットはwovieの動画で説明しているので、そちらをご覧ください。☟
大切な受精卵のために、タイムラプスを使用することをご検討ください。