皆さんこんにちは。培養士のEとTです。
12/20に、当院に東北大学大学院農学研究科の野地智法先生をお招きし、
『免疫学研究の可能性』についてご講演いただきました。
今回は、ご講演いただいた内容の中でも『母乳と抗体』についてご紹介いたします。
実は、乳腺は性成熟を迎えていても発達はしていません。妊娠して初めて、母乳を作る乳腺が発達していきます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、免疫機能が未熟であり、抗体が含まれている母乳を飲むことによって免疫を獲得しています。では、この抗体はお母さんの身体のどこからきているのでしょうか?
↓
↓
答えは、乳腺から遠く離れた腸管です!
母乳中の抗体を作る細胞の大半は、腸管に由来しているそうです。
一見関わりのなさそうな乳腺と腸管がつながっているというのは意外でとても興味深いなと思いました。
腸といえば、腸内フローラと子宮内フローラも関係があると言われています。
昨今の研究では、子宮内フローラが乱れているかどうかが、妊娠、出産に影響があることがわかってきました。子宮内フローラでは善玉菌のラクトバチルスが重要な働きをします。
ラクトバチルスは、大腸菌などの悪玉菌の増殖を抑える働きをし、悪玉菌が起こす炎症を抑え免疫細胞の攻撃を弱める働きをします。子宮内でこれらの働きが悪くなると、子宮内膜炎の原因になると報告されています。
つまり子宮内のラクトバチルスの割合を増やすことが大事ということが分かってきました。
当院では、子宮内フローラの検査としてEMMA・ALICE検査があります。
(↑この検査は先進医療で受けることが出来て、自治体によっては助成金も出ます!)
もし子宮内フローラが乱れていたら、状態に合わせて抗生物質の処方や、乳酸菌製剤・サプリメントなどをお勧めしています。
また、腸内環境を整えると、便秘の改善や免疫力アップ、肌トラブルの改善の効果等もあります!
妊娠前も妊娠後も腸内環境を整えることは、体全体を整えることと繋がっています。
皆さん、これを機に腸活を始めてみませんか?