皆さんこんにちは、培養士 菅野です
10/5,6に東京で開催された第27回 日本IVF学会へ参加、発表をしてきました。
学会では基礎と呼ばれる研究関連の報告もあり、いつもは聞くことのできない内容がとても刺激になりました。今回はその中でも皆さんにも気にして頂きたいトピックを一つご紹介します。
日本医科大学の小野 政徳 先生らの毎日の朝食摂取と生殖補助医療についての発表です。毎日3食摂る = 健康に繋がることは想像しやすいと思います。栄養不足にもなりやすくもなりますし。
でも今回は朝食を摂るっていうところがミソになります。
最近、夜勤が多い働き方は排卵障害や不妊症のリスクが増加することが報告されていて、これには時計遺伝子が関わっていると考えられます。
簡単にお伝えすると生物には身体の時計(リズム)が存在し、身体の時計が崩れてしまうと糖尿病やうつ病など様々な発症リスクが増加してしまいます。
動物実験では摂食リズムの乱れが生殖機能の異常に繋がることが示されており、
今回は不妊治療を実施した方たちに食事の摂取頻度についてアンケートをお願いし調査していました。
その結果!
1週間の朝食摂取頻度が0-5回の方は、
6-7回の方よりも体外受精などの生殖補助医療による
流産率が高く、出産率が低くなってしまいます!!
朝食をきちんと摂ることが身体の時計を維持することに繋がるのかもしれませんね!
朝食を摂らないだけで不妊治療の成績に影響が及ぶ可能性を示した、とても重要な研究だなと思います。
日頃、皆様から『治療のために自分でできることはありませんか』と聞かれることがあります。
ストレスのない規則正しい生活が良いとされますが、その根拠となる研究です。
皆さんも必ず朝食は摂って治療に臨んで頂ければと思います!!
また当院では管理栄養士による栄養相談や看護師による体重管理も行っています。
この機会にご自身の食生活を見直してみませんか?
相談したくてもなかなか時間が作れないという方は3F、4F待合室に看護師・管理栄養士作成の妊活に役立つ体質改善・栄養管理のパンフレットを置いておりますので、ぜひご覧下さい。
参考文献
http://Impact of daily breakfast intake on the outcomes of assisted reproductive technology procedures. Ono M, et al. Nutrition. 2024
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