去る6/2(金)に『日本不妊カウンセリング学会』が東京で開催され、参加&発表してきました。
この学会では、患者さんへの心のケアサポートを中心に、患者さんへの治療内容の説明方法や治療を進めていくうえでの心の変化などについて、全国各地の施設で取り組んでいることを発表し、学んでいくことを目的としています。
『学会』というと堅苦しいイメージかもしれませんが、こちらの学会では患者さん本人の参加も多く、患者さんの立場からの質問や意見なども見られる学会です。
私が発表してきた内容は、昨年11月からスタートした、採卵3日後来院時に、医師との診察前に胚培養士から患者さんの受精卵の発育状況を説明するようになったことで、患者さんの治療に対する知識が深まっているかどうかを検討した内容でした。
説明を開始した時期数ヶ月間、患者さんにはアンケートのご協力をいただいており、なんと、アンケートの回収率は100%でした!
ご協力ありがとうございました!!
アンケートでは初回体外受精の治療スタート前に受けていただいているIVFセミナーの内容だけでは、治療内容をしっかりと把握することはなかなか難しいことが浮き彫りとなり、治療が進むタイミングに合わせた説明が必要であることが分かりました。
当院では以前から胚培養士による患者さんへの説明を積極的に行うようにしてきましたが、全国的には胚培養士が説明を実施している施設は多くありません。
そのせいもあり、発表の後には胚培養士から「自施設でもやりたいと思っているのですが…」と、説明を行うにあたってのポイントなどを質問されました。
患者さんにとっても、実際に自身の卵子や精子をお世話している胚培養士の顔が見えないのは不安があると思います。
また、私たち胚培養士も、患者さんの名前と卵子・精子しか知らない…という環境は決して良いとはいえないと考えています。
お互いに『 顔 』の見える環境にいることが、安心と信頼に繋がっていくのではないでしょうか。
今後もまた、より分かりやすい説明を目指していくために、患者さんにはアンケートという形で意見をいただくことがあると思います。
そのさいには、ご協力よろしくお願いいたします!
岸田 理英